笠原塾塾長の最短合格会議

高校を中退後、偏差値を81まで上げて早稲田に合格。 講師として高校受験第1志望合格率100%、大学入試6年連続第1志望合格率100%を達成しました。 その方法論の全てをこのブログでお伝えしていきます。

仕事VS勉強 どっちが大変か?

こんにちは。塾長です。

今回は仕事と勉強を比較して、実際のところどちらが大変なのかということについて考えてみたいと思います。

 

一般的には、「仕事の方が大変だ」という意見の方が圧倒的に多いと思います。「ノルマ」「責任」「人間関係」「プレッシャー」などなど、挙げればキリがないほど仕事をする上で大変だと感じる内容が思い浮かびます。

 

しかし、私は「勉強の方が大変だ」と思っています。ただし、この意見には「仕事も勉強も共に同じだけ厳しく頑張ることができたとしたならば」という前提があります。

 

実際のところ、勉強に関しては多くの生徒はそれほど頑張ることができずに終わることがほとんどです。例えば受験勉強について考えると、正味で1日8時間ほど1年間勉強をして、受験当日を迎える生徒はとても多いです。これくらいの努力量の場合、同じ1日8時間の仕事を1年間することの方が基本的に大変です。仕事のレベルや内容にもよりますが、この条件であれば仕事の方が大変であることが多いと思います。なぜなら、受験生が1年間正味で1日8時間勉強することには、突出した能力や努力は不要ですし、疲労感や心身共にすり減るような感覚に陥ることもほとんど無いからです。

 

一方で仕事の場合、1年間正味で1日8時間働く中で、かなり厳しく努力をすることが求められることが多いです。仕事を覚え、ノルマをこなし、お客さんや会社に確実に貢献しなくてはなりません。日々、プレッシャーを感じながら働き、上司やお客さんから怒られたり、理不尽なことを言われることもあります。成果を出せなければ、評価を得られず会社を辞めなければならないこともあります。そういった現実の中で、多くの労働者は日々努力をしています。そして、疲労感や心身がすり減る感覚を多くの労働者は感じています。

 

しかし、例えば1日12時間以上の受験勉強を3年間厳しくやり続けた場合について考えると意味合いが大きく変わってきます。これをやり遂げられる受験生はほとんどいないからです。ほとんどの受験生ができないことをやり遂げられるとすれば、この種の受験生は相当な能力の持ち主と言えるでしょう。これだけ努力をすれば、疲労感やすり減る感覚を抱くことになると思います。

 

もちろん1日12時間以上働くことも、相当大変なことです。残業を含めて考えても、1日平均で12時間以上働く人の割合は非常に低くなります。しかし、これをやり遂げられる労働者は、それほど特殊な存在ではありません。会社から「働け」と言われれば、案外働けるものなのです。

 

勉強に関しては、どれだけ「勉強しろ」と親や教師から言われたとしても、多くの受験生は努力ができません。仕事とは違って勉強の場合、良くも悪くも「やらない」という選択肢が残されているのです。その中で主体的に考え、自分を律しながら自己責任で勉強をし続けなければなりません。この点も、1日12時間以上の勉強を3年間、多くの受験生が継続させることができないことの大きな要因となっています。勉強を長期間、厳しく行い続けることはこの上なく難しいことなのです。

 

そして何より、どれだけ勉強をしてもそれに見合った対価が短期的には無いという点が最も大変なことと言えます。受験勉強は将来への投資です。しかも、株のように定期的に利益確定することもできません。志望校に受かるまでの間、将来得られるかどうかも分からない不確実なリターン(=志望校合格)を追い求めてひたすら投資(=受験勉強)をし続けなければならないのです。あくまで投資ですから、将来的に確実にハイリターンを得られると約束されている訳でもないのです。

 

しかし仕事の場合、1ヶ月懸命に働けば給料がもらえます。頑張ったことに対する対価が毎月得られるのです。しかも、月の給料とは別に、年に2回ボーナスが貰えることさえあります。稼いだお金を使ってジムやマッサージに行ったり、趣味を楽しんだり、家族や友達と存分に遊んだりしてリフレッシュすることもできます。

 

やはり、厳しく頑張ったことに対する分かりやすい対価がその都度あるか否かいう点は、「仕事と勉強の大変さ」というテーマの中では、決定的な違いになると言えます。

 

継続的に妥協なく受験勉強をこなすことは、仕事よりも大変なことだと思います。私は日本のトップ企業で厳しいノルマと高度なスキルが求められる環境の中働いた経験もありますし、今でも1日15時間以上働くこともザラにあります。しかし、それらと比較しても、受験生時代の方がはるかに大変でした。私は高校を中退し、先も見えない中でガムシャラに勉強し続けました。1日12時間以上の勉強は当たり前のようにこなしていました。朝目覚めると、大きな疲労で身体がひとつも動かない日もありました。夜も眠れない日が続いたこともありました。それでも、勉強をすることはやめませんでした。その経験のおかげで今現在、人一倍厳しく働くことができています。

 

厳しく勉強をすることほど大変なことはありません。今頑張れば、恐いものなど無くなります。その感覚を若いうちに得られることは、この上なく価値のあることだと思っています。

 

 

塾長